誰でも不要なモノが売れるようになった時代。
それを知ってか知らずか、人気が出そうな商品を青田買いして高額で売る「転売」も行われ、巷では「転売屋」とか「転売ヤー」などと呼ばれています。

不当に利益を得ているような気がする「転売」。
これは違法なのでしょうか?

そこで、今回も老舗質店の鑑定士さんに「転売は違法行為なのか?」をズバリ訊いてきました。

1.今や誰でもできる転売の現状とは?

売りたい時ドットコム(以下C)「転売がはやっているそうですが、現状どんな感じなんですか?」

老舗質店鑑定士(以下店)「最も顕著なのがスニーカーです。
特にナイキのエアマックスとかヴェイパーマックス、もしくはアディダスに、オフホワイトとかSTUSSYといったアパレルブランドがコラボすると、定価が3万円なのにも関わらずネットオークションで転売すると、5~10万になることは日常茶飯事なんですよ

C「それって…お店に朝から並ぶんですよね」

店「はい。店頭抽選だったり、整理券を目当てに、時には前の日の夜から。

それから、先日楽天スーパーセールでロレックスのサブマリーナが66万円で出てたんですけど、サブマリーナって買取価格だけで100万以上するんです。
ですから、明らかに転売する人を対象にしたものなんですが、こういうサイトは多くの人が見るので、それを予測して広告宣伝の一環として使われています

C「作り込まれてますね…」

店「確実に定価以上の金額で売れると判断した場合、ヤフオクやメルカリにページだけ作っておいて、モノを入手したらすぐアップ、即完売という流れですね。
タイムロスがあると相場に響いてしまうので、スピード勝負なんですよ」

C「儲けるために寸暇を惜しまない姿勢には頭が下がりますが、素人目に見ても転売目的……。
それって、実際どうなんでしょうか?

店「はい! それが今回の核心です」

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2.転売は違法ではない。しかし…

「ズバリ! 転売は違法だと思いますか?」

C「難しいですよね…どうしても欲しいものとか行きたいライブがあったら『倍にするから買う!』って言っちゃいそうですし(苦笑)。売る人も買う人もごろごろいそう」

「実は結論から言うと、違法ではありません。なぜなら法律がないからです。
ただし『常識の範囲内』とされています」

C「また曖昧ですね…」

店「具体的には次の3つの条件をすべて満たすと『常識の範囲を超える』とされます。

1.膨大な利益を得ている
2.定期的に利益を得ている
3.継続的に利益を得ている

この条件を満たし、年間で副業なら20万円以上、本業なら33万円以上の利益が出た場合、確定申告する義務があります

C「知りませんでした!
主婦のお小遣い稼ぎでも、月に2万以上儲けていたらアウトじゃないですか」

店「そうなんです。
でも知らない人が本当に多いんです!」

C「特にこの時期(2月)頃にはビクビクしている人が多そう…」

店「まさにその通りで、せどりやメルカリを1年以上やっている人はだいたいビクビクしはじめます(苦笑)。
ちなみに『転売 違法』で検索すると620万件ヒットします

C「620万! どれだけ気にしてるんですか…」

店「そのほかにも、
・ダフ行為
・コピー品の販売
・お酒の転売
は禁止されています。

ダフ行為は地域の人の迷惑になるとして、各都道府県の「迷惑防止条例」で禁止されています。
法律じゃなくて条例に反するということですね」

C「でも…違法ということを考えると、スニーカーを倍にして売る人も、ライブチケットを高く売るダフ屋も同じではないですか?」

店「そこで出てくるのが先程の条件です。
スニーカーはせいぜい倍ですが、ダフ屋は1万円のチケットを10万円で売るので『膨大な利益』とみなされます。しかも組織だっているのがわかってますからね」

C「そうなると、スニーカーが倍になるのはOKなんでしょうか?」

店「この、モノを売るという行為がとても難しい。グレーなんです。
不要品を売る行為は『生活動産の処分』とみなされるんですよ

C「スニーカーは『私が要らなくなったから売る』が通るけれど、ダフ屋は『私がライブ行けなくなったからチケット売る』は通らないですもんね…何十枚も持ってますから(苦笑)。
でも、先程ヤフオクやメルカリにページ作っている人なんて、儲ける気満々な気がしますが…」

店「そうなんです。だからグレーなんですよね。
やっている人が多すぎるから取り締まれない。
数千万単位で利益を上げていれば別ですが、月に何十万というレベルだとわからないというのが現状です」

C「それでも確定申告の必要があるということは、ある意味違法ですよね。
では、どうすれば安心してモノを売ることができるんでしょうか?」

店「はい。古物商許可を取ることです」

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3.すべてを解決したいなら、古物商許可を取る!

引用元:http://gyousei.ono-office.jp/index.shtml

店「古物商許可は、個人でも法人でも取れます。
警察に申請をし、その後地域の公安委員会で調査するという流れで、事業計画書があるなど、商売の目的がハッキリしていれば許可されます。ただし落ちる場合もあります。
料金は2万円弱ですね」

C「結構簡単に取れるんですね。これなら安心!」

店「そうなんです。
先程もお話ししましたが、3つの条件を満たしていれば、確定申告が必要になります。
今、主婦層でもせどりやメルカリが流行っていますが、先程の「膨大かつ継続的・定期的に利益があれば違法」ということを知らず、自分がやっていることが犯罪だという意識が薄いんですね

C「基準も曖昧ですしね」

店「ええ。まずはそこの意識をしっかり持って欲しいと思います」

C「法律にはないとのことですが、メルカリやヤフオク独自の規定はあるんでしょうか?」

店「メルカリでは『転売は禁止』とされているだけですが、ヤフオクでは以下の場合は古物商許可が要るとされています。
・過去1ヶ月に200点以上、または1度に100点以上出品した場合
・過去の落札額合計が、1ヶ月で100万円以上の場合
・年間の落札額合計が、1,000万円以上の場合
・家電を1度に5点以上出す場合です」

C「思ったよりしっかりしていますね。
それでも月に10万くらいなら…と思う人も多そう」

店「はい。先程ご説明したとおり、転売自体は違法行為ではありません。なぜなら法律がないからです。
ただ3つの条件に当てはまれば確定申告が必要ですし、年間20万円の利益を隠していて、突然税務署が来たら終わりです。
古物商許可がなく、確定申告していないことがわかると、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。
ですから安心してモノを売りたいなら、古物商許可を取るのがいいと思いますね」

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4.番外編:この行為は違法?

 

C「転売に関して知識を得たところで、クイズを出してみますね。
次のケースが違法か違法でないかを答えてください。

まず、100万円で買ったロレックスの時計を50万円で売った場合は?」

店「これは…利益が出ていないからOKですか?」

店「正解です。購入金額より安く売れば、前述のダフ屋行為にはなりません。これはチケットも同じです。

では次。行きつけのバーが店をたたむことになったので、大量にお酒をもらった。
これをヤフオクで売った場合は?」

C「先程、不要になったものを売るのは生活動産の処分と言われていたので…OK?」

店「不正解です…無償で引き取ったモノを売るのはOKなのですが、お酒を売るのはNGだからです。
ヤフオクなどでよく見かけますが、酒税法により販売業免許が必要になります。

では次の問題。ちょっと難しいですよ。
アメリカにしかないあるブランドのアイテムを大量購入し、日本で売った場合は?」

C「うーん…法律が違うような気がするのでOKかな?」

店「正解です。海外で買い付けた、海外にしかないものを販売する時は、古物商許可は要りません。
ただし、日本にもあるブランドやメーカーの商品は「海外にしかない」わけではないのでNGです。

では最後の問題。
欲しかった限定モデルのスニーカーを、朝から並んで3万円で買ったけれど、履いてみたらイマイチ。
そこでヤフオクで1円スタートで出したところ、予想外に10万円になってしまった場合は?」

C「うーん…不当に利益を出しているからNG」

店「これはOKです。なぜなら一時的なものだから。
これが、新作発表のたびとか、毎月のようにやっているとしたら、先程の「定期的・継続的」を満たすことになりNGです。
とはいえ計画的でも『欲しかったから!』と言ってしまえばそれまでなんで、ここが難しいところなんですけどね」

C「いろいろなパターンがあるんですね。勉強になりました」

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まとめ

C「今回は奥の深いお話でしたね。知らなかった情報がこれまで以上にたくさんありました」

店「難しいと思われるかもしれませんが、お伝えしたいことは『普通にやっている行為が、実は違法かもしれないという危機感と知識を持って欲しい』ということです」

C「気軽にせどり~とか、メルカリ講座~とか、たくさんありますもんね」

店「僕たちの業界でも副業としてやっている人もいますし、僕たちもヤフオクで業者からモノを買いますからね。
でもそういう方々は、法律に関する知識があり、ルールを守ってやっていますからね」

C「知らないということは怖い」

店「その通りです。副業としてでも利益が出ているようなら、古物商許可を取ること。
自分たちが気軽にやっていることって、本当はどうなんだろう? ということを知って欲しいための注意喚起としても心に留めておいていただきたいですね

ちなみに古物商許可についてですが、少し難しいですが、愛知県警のサイトのリンクを貼りますので、気になる方は見てみてください。
https://www.pref.aichi.jp/police/shinsei/sonota/kobutsu/index.html
地域の行政書士でも依頼できますので、手続きが難しそうだと感じたら依頼してみましょう。

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