時計、特に高級時計を語る上で欠かせないのが「機構」。
時計の機構にはさまざまなものがありますが、一般的には「7大機構」とされています。

時計マニア以外ではあまり聞き慣れない「機構」。
簡単にご説明すると、時計の「仕組み」「機能」「システム」のようなイメージです。

そこで今回は、この機構について簡単に触れながら、マニアがこだわる「機構」は、そもそも日常生活の中から作られていたということをご説明します。

1.時計の7大機構とは?

時計の七大機構には以下があります。

①ムーンフェイズ
②トゥールビヨン
③クロノグラフ
④ミニッツリピーター
⑤パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)
⑥パワーリザーブ
⑦レトログラード

⑤の「パーペチュアルカレンダー」とは、()内にあるように、うるう年にも対応する永久カレンダーのことですが、うるう年に対応しない「アニュアルカレンダー」を加え、8大機構としている場合もあります。

この七大機構のうち、時計の中に2つ以上の機構を持つものを「グランドコンプリケーション」と呼び、特に「世界五大時計」のブランドで、このグランドコンプリケーションにあたる時計は、数千万~億の値段が付くと言われています。

ちなみに「世界五大時計」とは
・PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ)
・Vacheron Constantin(ヴァシュロン・コンスタンタン)※コンスタンチンとも呼ぶ
・Breguet(ブレゲ)
・A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)
・Audemars Piguet(オーデマ ピゲ)
の5つ。

ブランドの歴史やコンセプトについての詳細は、「高価買取に期待!世界5大時計ブランドを徹底解説!」をご覧ください。

それでは機構の誕生について迫っていきます。

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2.機構の中で最も早く完成。
月で時刻を表す「ムーンフェイズ」

機構の中で最も早く誕生したのが、この「ムーンフェイズ」。
世界五大時計のひとつ「ブレゲ」の創設者であるアブラアン・ルイ・ブレゲが、18世紀に完成させたと言われれています。

ご存知のように、昔の人は月の満ち欠けで日にちを計り、月の進度で時間を計っていました。
それを取り入れたのがムーンフェイズです。
直訳すると日本語では「月相(げっそう)」。こちらだとイメージがしやすいかもしれません。

写真にあるように、一般的には雲に月や太陽が隠れている円形のものを呼びます。

ムーンフェイズは、今でこそ当たり前になっていますが、まだ懐中時計が主流だった頃、機動方法はデジタルではなく手巻き、しかもゼンマイ式。
このゼンマイに月の動きを日にちごとに覚えさせる技術は、かなり高かったはずです。

根底にあるのは、人間が古代から受け継いできた「月で日にちと時間を知る」という知恵。
それを時計に取り入れたいと人々が思ったのは、自然の流れだったでしょう。
今はスマホをはじめ、あちこちに時計やカレンダーがありますが、今もなおムーンフェイズの機構が愛されているのは、根底に「ロマン」があるからかもしれません。

ちなみに、ムーンフェイズの最高峰と言われているのが、パテック・フィリップによる逸品。
天体が大好きな少年が、雨の日に空を眺められないことから「腕にプラネタリウムを」というコンセプトで作られたそうで、すべて職人の手作りによる時計は、億を超えるそうです。

3.「時間が狂わない!」を実現
トゥールビヨン

前述のムーンフェイズに対し、機構の中でも最後の方に完成したのが、「トゥールビヨン」。

簡単に言うと「絶対に狂わない時計」です。

時計の歴史は手巻きの懐中時計から始まり、その後オートマティック(自動巻き)に移行しました。

ところがオートマティックは、中にある水晶体が動くと時計が動く仕組みなので、少しでも傾けて置いておくと、微妙な重力の差で時間がずれてしまうのです。

これを改善したのが「トゥールビヨン」。
着手したのは、前述のブレゲです。

マリー・アントワネットからもオーダーがあったというブレゲは「時計の歴史を200年早めた」と称され、当時世界一の技術を誇っていました。

そして、構想に3年、実現に5年、トータルで8年かかったトゥールビヨンの完成は、ブレゲを「天上の時計ブランド」へと押し上げました。

今のように、機械やデジタル信号であらゆるものが正確に計れる世の中では、トゥールビヨンの機能はたいしたことないと思えるかもしれません。

しかしムーンフェイズ同様、時計という小さな枠の中に、人間の技術により「絶対に狂わない」という機能を加えたことは奇跡のようなもの。
ブレゲ自身も、どうやってやれば狂わない時計になるのか、最初は見当も付かなかったでしょう。

トゥールビヨンは、1801年にブレゲが特許を取ったと言われており、その非常に複雑な技術から、トゥールビヨンがあるかないかでは、時計の値段が数千万単位で変わってきます。

4.クロノグラフ、ミニッツリピーターなど、
生活をより便利にした機能

以上、七大機構のうち2つをご説明しましたが、それ以外の5つも、日常生活と密接な関わりがあります。

残りの機構を、現在の機能でわかりやすく説明すると、
③の「クロノグラフ」は、ストップウォッチのこと。
④の「ミニッツリピーター」は、アラームのこと。
パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)は、その名前の通りカレンダーのことです。

これまでもご説明してきたとおり、どれも今では安い時計にも付いていますし、専用の機器も出ています。

しかしクロノグラフで例えてみると、懐中時計の時代、30分後に大切な約束を控えた伯爵は、ずっと時計を見ていられるわけではありませんでした。
しかも街灯もあちこちになく、スマホのようにボタンひとつで照明が付かないので、すぐに時間を確認することもできません。
ポケットに入れたままにして、大切な約束を忘れてしまうこともあったかもしれません。

そんな時「30分後に知らせてくれる」機能があったら、約束を守ることができます。

ストップウォッチも、パーペチュアルカレンダーも、同じく「こんなものがあったら、毎日がすごく便利だ」という思いから生まれています。

技術的に見ても、デジタルではなく、オートマティックでこうした機能を入れることは、かなり大変だったと思います。

「パーペチュアルカレンダー」にしても、現在は2000年に一度しか狂わないと言われており、当時、365日×2000年分をゼンマイに記憶させる技術というのは、想像を絶します。

また、どのくらいで時計が止まるかを教えてくれる「パワーリザーブ」も、時間を守りたいという思いから生まれたものでしょう。
そして、下記の写真にある、円形ではなく扇状の範囲で針を動かす「レトログラード」は、60秒とか日曜日など切れ目で針が戻る仕組みですが、あえてメーターのように表示しているのは、より親しみがあり、見やすいということを重視して開発されたといわれています。

機構と聞くと、つい価値や価格を考えてしまいがちですが、もともとは「こういう機能があったらいいな」「こんな時計ならもっと生活が便利になる」という、人間の思いからできたものなのです。

5.まとめ

時計の機構は、それぞれの技術が素晴らしいだけに、時計の値段を左右するものになっていますが、もともとは人々の暮らしの中から生まれたものです。

そして何より、機構には時計職人たちの思いと技が凝縮されています。

買った人にとっては「身につけている幸せ」を感じるものかもしれませんが、こういった背景を感じながら、普段使っている時計を見直してみませんか?

※写真の引用元は全て:https://www.e-bigmoon.com/

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