かつて印鑑や美術品などで人気を集めてきた「象牙」。

以前「知らないと怖い!売る時注意が必要なもの」でもお伝えしていましたが、その時予測したように、象牙製品が、いよいよ買取不可になりそうです。

今回はその理由と、象牙製品のこれからについてご説明します。

1.国からの象牙製品への締め付けが厳しくなった!

 

2018年6月1日「種の保存法」の一部が改正され、象牙の取り扱いが厳しくなりました。

日本における象牙は、1989年以降、ワシントン条約に基づき、国に手続きをして認可された「特定国際種事業者」しか購入できず、輸出も禁止されています。
また保持するだけでも「国際希少野生動植物登録証」が必要で、違反すると5年以下の懲役または罰金500万円、法人の場合は1億もの罰金が科せられることもあります。

とはいえ、日本国内にある象牙を日本国内で取引することは問題ないため、抜け道を使い、海外に違法に輸出されることが後を絶ちません。

特に中国では象牙が人気で、2011年~2016年に日本から違法に輸出された象牙の約95%が、中国に向けたものだったというデータもあります。

しかしこうした現状をふまえてか、国からの締め付けが年々厳しくなり、2018年6月1日には前述の法改正をもとに申請書類が増えて、認可へのハードルが高くなったのです。

少しさかのぼると、2017年7月には、楽天が一切の象牙製品の売り買いを禁止しています。
その頃はヤフオクでの取り扱いは緩かったのですが、最近ヤフオクも厳しくなり、象牙製品について投稿した即日、違反警告を受けるケースも多々あります。

こういう状況が重なり、取り扱い業者は今後減少すると思われます。

世界中で動物愛護が叫ばれる中、日本の象牙に関する規制は長年グレーでしたが、各国からの目もあり、国も本気で取り組もうとしているようにも思えます。

※参考サイト:日本の国内象牙市場が違法輸出の温床に 最新報告書発表 

2.取り扱う業者が減少傾向にある理由3つ

 

引用元:http://印鑑象牙.com/

象牙を取り扱う業者が減る理由には、国からの規制もありますが、業者の立場から見ると、登録の大変さが大きな理由となります。

こちらを、もう少し細かく見ていきましょう

1.書類が多すぎる!

前述のように、象牙の売買をするには、経済産業省に「特別国際事業登録」を届ける必要があるのですが、この書類作成には、かなり時間がかかります。

ざっとお伝えするだけでも、以下のものを提出、あるいは書類に明記しなければなりません。

①法人なら会社の登記簿、個人なら身分証明書を提出
②やりとり(売買)する場所を明記
③店舗の開業日
④役員一覧名簿
⑤現在の在庫状況

特に②と③に関しては、もし支店があるならすべて明記する必要があり、全国展開する店にとって、作業は膨大なものになります。
④に関しても同じことが言えるでしょう。

そして⑤については、例えば「印鑑」「ネックレス」「箸」「麻雀パイ」など細かくかカテゴリを分けて報告しなくてはなりません。
そのアイテム数は約50種類!!

もともと記入項目が多かった書類ですが、2018年6月1日からはさらに増え、ますます大変になってきています。

2.登録や申請にお金がかかる!

2番目の理由が料金面。

最初に登録する際には、登録料として9万円、さらに収入印紙3万円分が必要になります。

しかし契約は5年間なので、更新の際はそのたびに3万円が要ります。
さらに更新する場合は、更新の1年半前に手続きしなくてはならず、提出する際も、「この時」という適切なタイミングで提出しなくてはならないのもネックです。

3.取引台帳の記入が必要&抜き打ち検査もアリ!

3つ目が取引台帳をつけなくてはならないこと。

在庫管理をした商品の中で、何月何日に何が売れたかを、カテゴリごとに記入しておかなくてはなりません。

しかも抜き打ち検査があり「今提出しなさい」と言われたら、速やかに提出しないと免許を取り消されてしまう場合も。

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申請が通った場合には登録番号がもらえますが、到着したらその番号を送り、許可が下りて初めて売買可能になるなど、時間もかかります。

大きな会社になればなるほど、支店ごとに膨大な書類を記入しなくてはならず、大手チェーン店ほど、やらない傾向になるでしょう。
ちなみに現在取り扱いがOKなヤフオクでも、この書類とは別に、ヤフオク用の書類を提出しなくてはなりません。

このように、登録をするためには数々の難関があるため、象牙製品を扱う業者は、次第に減少していきそうです。

参考サイト:特別国際種事業(ぞう科の牙及びその加工品)について(平成30年6月1日以降)/経済産業省

3.象牙製品の売買の今後は?

引用元:https://www.inkan-kyoto.com/

申請の大変さから、象牙製品を扱う店が減少しそうですが、実際、今の象牙の需要や供給、人気はどうなのでしょうか?

ズバリ、象牙の人気はありません。
需要もほとんどありません。

周りを見ても「象牙が今熱い!」なんて話は聞かないですもんね…。

実際、そこまで高額なアイテムでもありません。
ですから、書類を懸命に書き、料金を払い、許可まで待つ…というハードルを乗り越えて販売しても、採算が取れないというのが実情。

しいて言うなら、前述のように中国の方が買う可能性がありますが、輸出は禁止されているので、日本国内で個人で楽しむのが条件。

象牙の印鑑や調度品を主力にしている専門店ならまだしも、今後改めて申請するのは、象牙の在庫を多く抱える昔ながらの質店や、何十年も経営している買取店が大半です。

大手チェーン店は前述のような理由でやらないですし、最近増えている買取店のFCでは、書類の提出はFC店ごとなので簡単ですが、そもそも在庫が少なく儲からないので、こちらもやらないでしょう。

そして、取り扱う場所が減ることで、希少価値が高くなるということもありません。

最近は空輸自体も厳しくなり、現在香水の空輸も禁止されているほど。
また象牙が一切手に入らない地域への輸出も、世界中から注目されてしまっている日本では不可能です。

売る前も、売る時も間がかかり、その上利益はイマイチで、かつ人気も下火。
書類作成の大変さも重なり、買い取りする業者は減っていくでしょう。

余談ですが、オークションサイトなどで「象牙風」や金属を練り込んだ「練り」と呼ばれる商品を見かけますが、見るからに象牙ではないので、買う人は少ないと思われます。
万が一嘘をついて販売していたとしたら、一発で出品停止になるので、非常にリスクが高いです。

5.まとめ

象牙の売買に関してまとめると、

①国からの締め付けが厳しい。
②書類記入をはじめ、登録がとにかく大変。売上台帳も必要。
③お金もかかる。
④登録後に突然の査察もあり。
⑤人気もないし、需要もない

以上の理由から、今後、扱う店が少なくなっていくでしょう。

動物愛護が叫ばれる時代という面から見ても、買取不可になる可能性が高くなり、ゆくゆくは、ウミガメの製品に関する締め付けも厳しくなっていくと思われます。

もし、象牙の製品を売りたい場合には、取り扱っている店が減っているので、まず電話などで取り扱い状況を確認してから、持っていくことをおすすめします。

この記事も参考にしてください↓
「知らないと怖い!売る時注意が必要なもの」

 

 

 

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