誰でも気軽に不要なものが処分でき、ちょっとしたお小遣い稼ぎにもなるツール「フリマアプリ」。
主婦層を中心に「メルカリで儲ける方法」なるセミナーが開催されるなど、フリマアプリの発展はとどまることを知りません。

そうなると、これまで不用品をやりとりしてきた買取店や質屋はどうなるのでしょうか?

本日はちょっと堅い内容になりますが、フリマアプリが買取業界に与える影響、そして両者の特色や今後について見ていきます。

ブランド品を自宅で査定。メルカリの画期的サービス「メルカリメゾンズ」が誕生

フリマアプリの最大手として君臨する「メルカリ」が誕生したのは2013年。

毎年利用者を増やし、2017年現在6月現在で7500万ダウンロード(日本5000万、アメリカ2500万)を記録。日本では約3人に1人がダウンロードしているという計算になります。

フリマアプリの強みは、何といっても「簡単」なこと。
アプリをインストールしてアドレスやニックネームなどを入れればすぐ利用でき、その時間はわずか1分。
家から一歩も出ずに取引ができるため、子育て中のお母さんや忙しいOLさんも、空いた時間に出品することが可能です。

また、フリマアプリでは、一般ユーザーが正確な査定ができないため、買取店で100円だったものが5000円になることも。こうしたことから「手数料を考えても、フリマアプリの方がお金になる」と思う人も多くなっています。

便利で気軽なフリマアプリは常に進化を遂げ、なかでもメルカリは2017年8月、子会社である株式会社ソウゾウから「メルカリメゾンズ」を発表。
これはフリマアプリの唯一の欠点だった「信用性」や「コピー品の判定」を払拭するサービスです。

一番画期的なのは、自分が売りたいブランドアイテムの情報を入力し、撮影するだけで査定ができること。

アプリが出品価格を査定してくれるので、いくらで販売するか悩む必要がなくなったということです。

引用元 https://www.mercarimaisonz.com/

最も重要視されていた、コピー品かどうかを見分ける真贋判定についても、そのアイテムの確認すべきポイントを説明しているので、ある程度の判定が可能。
「メルカリ」とも連動しているので、両者で出品できるのも魅力です。

「たかが写真で査定ができるの?」という疑問は残りますが、現在、全国に50名のスタッフとAIを配置し、コピー品がないかを24時間体制で巡回。そのスタッフも来年は4倍に増やす予定だそう。

現状、真贋判定が100パーセントとは言いがたいですが、スマホひとつで誰にでも査定ができるスタイルは、実に革新的といえるでしょう。

これまで唯一面倒といわれていた発送についても、梱包は自分でやる必要がありますが、ヤマト運輸が取りに来てくれるサービスも開始(※別途料金が必要)。

出品者が生放送で商品を紹介するアプリ「メルカリチャンネル」も好評です。

このように、恐ろしい早さでマイナス面をクリアしていくフリマアプリ。そうなると、買取店や質屋はどう対抗していけばよいのでしょうか?

「プロが目利きする信頼性」「イメージアップ」「海外ルートの確保」に活路

買取店がフリマアプリに勝つ方法はただひとつ。

買取価格を上げ、そのための販売力を強化することしかありません。

そのために必要なことが、次の3つです。

1:信用度・確実性のアップ

どんなにフリマアプリやネットオークションが発展しても、高級時計や宝石、100万円以上のブランド品や有名な絵画を買うという人はいませんよね。

そこにはフリマアプリへの不安定な信頼性が反映されています。

その点、買取店や質屋とお客さんのやりとりは、言うまでもなく「人対人」。

歴史のある買取店や質屋では、鑑定士が1つ1つ査定を行うので、フリマアプリに比べて信用度が高いことはいうまでもありません。 

また、着物や洋服などが大量にある場合には一度に持って行け、送る手間がないのも買取店や質屋の良さ。

お金の面でも、フリマアプリが後日振り込まれるのに対し、買取店ならその場で即現金化。フリマアプリのように手数料がかからないのも魅力でしょう。

素人では決してできない、プロの鑑定力や培った販売システムを、今後はもっと広めていく必要があります。

2:買取店や質屋に対するイメージアップ

フリマアプリの発展により、不要なものを取り引きすることに抵抗がなくなってきました。

とはいえ買取店や質屋に対するグレーなイメージは、100%クリアになったわけではありません。

そのために必要なのが、ユーザーへの見せ方。

実際、全国の買取店でもさまざまな「見せ方」「ブランディング」に取り組んでいます。

例えば大阪で創業し、全国に47店舗を構える「なんぼや」では、店のことを「サロン」、鑑定士のことを「コンシェルジュ」と呼ぶことで、スマートな印象を作っています。

また山口県・下関に本社を持つ「ものばんく(monobank)」では、自身のことを「鑑定士」ではなく「プロの鑑定士」と呼ぶことで目利きに関する特殊性を発信。

さらに買い取りをもっと身近なものにと、カフェスペースを設け、定期的に多彩なイベントを開催しています。

そして日本最大級のリユースデパート、名古屋の「KOMEHYO」でも、2017年にオープンした名駅店でカフェを併設。

周囲に複合型の立派なビルが建ち並ぶ中、決してひけを取らないデザイン性を誇っているのも特色です。

買取店は年々増えていきますが、同じ数だけ潰れていくのも事実。

競争が激しいので、当たり前ですが「店内が汚い」「古くさい」「ディスプレイが見づらい」といった店はすたれていく運命にあります。

現在多くの店が取り入れている「LINE査定」「宅配買取」のほか、取り扱いアイテムのシフトチェンジも必要です。

例えば高級路線への変更、アパレルだけでなく幅広いアイテムを扱うなど「こんなものも売っている」「定価なら高いものがこんなに安い」と言う情報を発信していかなければなりません。

このように、買取店も常に変わっていく必要があり、生き残っている買取店は、すでに取り組みを進めているのです。

3:海外への販売ルート確保や外国人バイヤーの招致

最後が海外との連携です。

現在、海外へ商品を売ったり、海外のバイヤーと繋がりを持つ買取店が増えています。
その理由は、日本で仕入れる方が圧倒的に安いから。

送料などを引いても、日本で買い付けした方が仕入れ金額が安く済むのです。

また、日本人はどんなものでも大切に使うという国民性があるため、アイテムの状態が良好。

日本で「ボロボロ過ぎて売れない」というものも、海外なら日本ほど影響を受けずに売れるのです。

海外には「時計」「宝石」などに特化したバイヤーが多く、各国でその目利きを活かし、良品を仕入れてきます。

「何がどう売れるか」を熟知しているので、そのバイヤーに任せればどんなアイテムでも高価取引が可能。

さらにこのようなバイヤーは各国の各国のオークション会場を見てきているので「宝石ならこの会場」「絵画ならここ」という情報を持ち、そのノウハウを教えてもらうことができます。

ですから今後はそういった専門家を日本のオークション会場に招致し、アイテムをまとめて購入してもらい、海外に売ってもらうことが有効です。

これらの活路はメルカリにはないものです。

なぜなら買取店や質屋がこれまで築いてきたルートがBtoBなのに対し、メルカリの顧客はあくまでも「一般ユーザー」。

メルカリ自身も海外進出を目論んでいるようですが、お客さんが一般ユーザーという性質上、海外進出においては買取店や質屋の方が有利だといえるでしょう。

フリマアプリの予想外の発展で、日本国内だけで勝負するのは難しくなってきています。ですから海外にも視野を広げる努力が必要になりますが、それは買取店や質屋がこれまで作ってきたルートを行かせる道となり、強みになるのです。

まとめ

フリマアプリの勢いは今後も止まらないでしょう。
しかし買取店や質屋がこれまで培ってきたものは、やはり買取店や質屋にしかないものです。

ですから買い取り業者には、これまでの常識を打ち破る覚悟が必要になります。

自らの「鑑定力」「目利き」に今一度注目し、さらに磨きをかけること。
フリマアプリに負けない情報発信力や認知活動を広め、店舗も工夫していうこと。
中でも、海外への販売ルート確保は、BtoBでの販売ノウハウを持つ買取店や質屋にしか作れないもの。これは大きな強みになっていくでしょう。

AIにもフリマアプリでも絶対にできないことを、どれだけ見つけられるか。それが今後の買取店の運命の鍵となるのかもしれません。
また、2者が競争することで、買取業界全体や一般ユーザーにも、面白い流れが出てくるかもしれません。

今後もフリマアプリと買取業界の動向に注目したいと思います。

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