引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171107-00010001-fashions-life
大手買取店のコメ兵は2017年11月7日、ブランドリユースに特化したフリマアプリ「KANTE(カンテ)」を発表、同日に提供を開始しました。

ここ数年で、買取店を利用していた顧客をフリマアプリへ奪われるかたちとなっている買取業界。

業界最大手のコメ兵がフリマアプリへ参入することが、買取業界とフリマアプリへどのような影響を及ぼすのか。

まずはコメ兵が開発した「KANTE(カンテ)」を開発した意図とその仕組みとともに、フリマアプリや買取業界へ及ぼす影響を探ってみます。

コメ兵が「KANTE(カンテ)」を開発した意図とは?

フリマアプリの中で最も利用者数が多いアプリがメルカリです。(2位:フリル・3位ラクマ)

メリカリは2013年7月にサービスを開始しましたが、約半年ペースで利用者数を1000万件ずつ伸ばし続けています。
(2017年現在/日本:5000万ダウンロード 海外:2500万ダウンロード

メルカリの最大の強みは、「誰でも」「簡単に」「いつでも」利用できるところでしょう。
それまでのCtoC事業はヤフオクの独壇場でしたが、ヤフオクの仕組みはメルカリに比べると複雑なので、「誰でも」「簡単に」「いつでも」といういうわけにはいきませんでした。

メルカリはその強みを生かし、サービス開始からたった4年で年間流通額が約1200億円に達しています。

ヤフオクは1999年9月にサービスを開始してから18年かけて、ようやく約8000億円の年間流通額に達していることからか考えても、メルカリの勢いの凄さがわかります。

こうしたフリマアプリの利用者数増加の影響から、フリマアプリが及ぼす買取業界への影響とは?でも触れたように、買取店を利用する人の割合は減ってきています。

現状、コメ兵を始めSOUが運営する「なんぼや」や「大黒屋」、「ブランドオフ」といった買取店はフリマアプリの勢いで苦戦を強いられています。

その理由は単純に、「買取店よりもCtoC(フリマアプリやヤフオク)の方が高く売れる」からです。
ブランド品の買取金額を予想する方法を伝授!やリサイクルショップの買取金額は先読みできる!?でも紹介したように、買取店の買取価格は中古売価の約50%が相場です。

ではフリマアプリで売る場合と買取店で売る場合の金額を比較してみます。

買取店の場合 店頭販売価格:10万円 買取価格:5万円 手元に入る金額:5万円
フリマアプリの場合 掲載販売価格:10万円 売れた金額:10万円 手元に入る金額:10万円
(メルカリの場合は販売手数料が10%なので、9万円

比較してみると一目瞭然ですが、フリマアプリで売ったほうが圧倒的に高い。
理由は利益の確保に他なりません。

買取店は買取金額と販売価格の差額が利益になる一方、フリマアプリはメルカリのように販売手数料が利益になります。

販売手数料が10%しかないのにそこまで利益が出るの?と思われがちですが、1日およそ100万件程度の取引がありますから、十分に利益は確保出来ます。

それと比べて買取店は、1日の取引件数が1店舗当たり10~30件程度ですから、その差は明らかです。

その状況の中で利益を確保しなくてはならないため、買取店の買取価格は中古売価の約50%程度に抑える必要が出てきます。

余談ですが、フリルやラクマは販売手数料が無料なので、どこで利益を出しているかですが、フリルは楽天が買収したのちアプリを利用するには楽天登録が必要なので、利益はなくとも楽天の顧客獲得の一つの手段になっているということです。

ラクマは広告収入が主ですが、現状赤字状態なのではないかと思われます。

こういった背景を背に、顧客を奪われて利益が減り、買取業界全体の数字が伸び悩む中、業界最大手としてコメ兵がフリマアプリに参入したというわけです。

しかし、ただ同じようなフリマアプリを開発してもただの二番煎じ。

話題性はあっても一過性で終わってしまいます。

そこでコメ兵は、「KANTE(カンテ)」に業界最大手の強みを生かした“アレンジ”を加えることで、他のフリマアプリとの差別化を図りました。

ではその“アレンジ”とはいったい何でしょうか?
それはフリマアプリ最大の弱点に起因します。

従来のフリマアプリとは一線を画した「KANTE(カンテ)」の仕組み

フリマアプリにおける偽ブランド品の横行を「KANTE(カンテ)」が止めることが出来るのか

メルカリなどの一般ユーザーが出品するフリマアプリ最大の弱点は「偽ブランド品の横行」です。

あくまで出品者は一般人なので、出品されているブランド品が「本物であるかどうか」を購入者、または出品者が見極めることは容易ではありません。

中にはフリマアプリを利用して、コピー品を売りさばいている悪徳ユーザーも最近では社会問題化されています。

こちらもチェック👉ネットオークションやフリマアプリの落とし穴とは?

業界最大手のコメ兵はそこの弱点に目をつけ、今までのフリマアプリにはない”アレンジ”を加えました。
その”アレンジ”とは、「コメ兵鑑定」です。

出品方法は他のフリマアプリと同じですが、商品を出品する段階で「コメ兵鑑定」を希望するかどうかを選択します。

「コメ兵鑑定」を希望した場合、購入者への商品発送ルートにコメ兵が挟まれる仕組みとなっています。(希望しない場合でも出品可能)

出品商品が売れた→商品をコメ兵へ発送→コメ兵による真贋判定→通れば購入者へ発送 ※真贋判定でNGだった場合、出品者へ商品は送り返される

こういった流れです。
これまでコメ兵が扱ってきた商材のデータはおよそ140万点にものぼると言われています。

そのデータを駆使して真贋判定を行うことで、たとえ高額商品であっても安心して商品を購入することが出来るというのが狙いです。

また、この仕組みからは業界全体にはびこる偽ブランド品を一つでも排除したいというコメ兵の企業としての想いも伝わってきます。

出品商品が本物かどうかへの信頼性の低さから、従来のフリマアプリは比較的単価の低い日用品やアパレルの取引が多かったのですが、このカンテの登場で高額商品の流通がより活性化されるのではないでしょうか。

ちなみに手数料ですが、下記の通りです。

・10,000~49,999 15%
・50,000~99,999 12%
・100,000~ 10%

他のフリマアプリに比べると、若干割高ではありますが「信用性」という部分では納得せざるを得ない気もします。
仮に1日100件の取引があった場合、その対応にはかなりの人手が必要なので業界最大手のコメ兵だからこそできたアプリとも感じます。

高級ブランド品でなくては販売ができない

フリマアプリの影響で買取店への商品の持ち込みが確実に減っていっている状況の中、買取業界全体が高級路線へ移行しています。

比較的安価な商品はフリマアプリで売れるけれど、高額商品ともなると全くと言ってよいほど売れない。

だからこそ買取店は買取商品のターゲットを、より高額な商品に定めています。

しかしながら、高額な商品を扱うには鑑定士の「目利き」が非常に重要です。

「真贋」「相場観」「売れやすい商品かどうか」「その商品の今後の展望」など、予備知識も必要になってきます。

そのため、各買取店はこの激戦業界の中、今後生き残っていくためにはしっかりとした「目利き」ができる鑑定士の育成が必須と言えます。

「KANTE(カンテ)」もこの高級路線への移行の影響を受けて、出品できる商品に条件を設けています。
①販売価格が10,000円以上
②時計やバッグ、宝飾品などの高級ブランド品

「何でもかんでも売る」のではなく「選択してから売る」。
こういった条件を設定することからも、他のフリマアプリとは一線を画していますね。

売れ残ってもコメ兵の買取金額で買取が可能

これは買取店が運営するフリマアプリならではのサービスですね。

皆さんは、「売れないから値段を下げよう」「値下げ交渉をされているけど、それで売れるなら仕方ない」などといった経験はありませんか?

確かに売れ残ったままでは出品している意味がありません。

しかし、安易に出品価格を下げてしまうことで、もしかしたら損をしているかもしれません。

フリマアプリを利用する目的の一つとして、「買取店より高く売る」ことが挙げられると思います。

「値段交渉や売れ残ったからという理由で出品価格を下げたが、その金額より買取店の方が実は高かった」では、まるで本末転倒です。

しかし、「KANTE(カンテ)」では商品が売れ残った場合、コメ兵の適正価格で買取してもらえるので、買取店よりも安く売れてしまうことがありません。

出品を取り下げたり、適正相場以下の金額で売れることがないので、より安心して利用することができます。

「KANTE(カンテ)」がフリマアプリ業界へ及ぼす影響はあるのか

他のフリマアプリとは一線を画している「KANTE(カンテ)」ですが、フリマアプリ業界へ及ぼす影響はあるのでしょうか?

おそらくですが、あまり影響は無いのではないかと考えられます。

先述した「仕組み」から考えると、メルカリや他のフリマアプリに対抗するために開発したとは思えません。

そもそも「KANTE(カンテ)」と他のフリマアプリでは、フィールドが違うからです。

「KANTE(カンテ)」は、ターゲットを完全に高級ブランド品と定めています。

他のフリマアプリは、出品に少なからず規制はありますが、「高級ブランド品でなくてはならない」わけではありません。

ユーザー側からして考えると、「安い物はメルカリ」「高い物は買取店」だった流れが、「高い物はカンテ」に代わるだけです。
要するに「KANTE(カンテ)」は、従来のフリマアプリとは全くの別物として考えるべきですね。

これから買取店によるフリマアプリの運営は増えていくのか

「KANTE(カンテ)」の登場で、他のフリマアプリへの影響よりも買取店、むしろ買取業界全体への影響のほうが大きいはずです。

結論からすると、増えていく可能性は極めて高いですが、仕組みは別物になると予想されます。

確かに「KANTE(カンテ)」の仕組みは、今までのフリマアプリとは一線を画していますが、どこまでいっても結局人の力に頼らざるを得ません。

「人の手に頼らざるを得ない」という表現をした理由に、各買取業者が取り入れようとしている最新技術の存在があります。

それが最近話題の人工知能「AI」
このAIこそが、各買取業者が取り入れようとしている最新技術です。

実際にアメリカのエンタラプティー社が、AIで高級ブランド品が偽物かどうかを識別するアプリを開発し、運営を開始しています。

その真贋判定正解率は96%を超えると言われ、信用性も高くなっています。

さらに、商品検索や査定までもAIに任せられるようになれば、そこに人の手は必要ありません。

「人ではなくAIが買い取る」ことが業界の目指す究極の域なので、「人の手に頼らざるを得ない」フリマアプリである「KANTE(カンテ)」は、通過点に過ぎないといったところでしょうか。

そういった背景を鑑みると、あえて「KANTE(カンテ)」の仕組みを模範としたフリマアプリの開発に、各業者が乗り出すとはなかなか考えにくいところです。

しかし、業界最大手のコメ兵がフリマアプリを運営することで、陰りが見え始めた買取業界の活性化を促してくれるかもしれません。
いずれにせよ、今後の伸びしろには注目していきたいですね。

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